金環日食と、天竜川と、南アルプス
      
2012年5月21日

 広角レンズを使って、金環日食の全過程を一枚に、それも風景と一緒に写しこんでみようと企らみました。

 日の出すこし前に写した風景をベースにして、そのままの構図で、日の出から日食の終了まで、昇ってゆく太陽をずっと写して行く!

タイマーリモコンを使って自動的に一定間隔でシャッターを切れるので、手がかからず、昔から考えると「夢のように楽な撮影!」

・・・になるはずでした。

 ところが、カメラのレンズをオートフォーカス状態にしたままだったため、10万倍のフィルターをかけられたカメラはピントを検出できず、

ピントリングがジャスピン位置を求めて動くばかりで、シャッターは切れていなかったのです。初の金環日食を目前に、気分が完全に

舞いあがっていたための大失敗でした。冷静でいるつもりで、実は何も手に付いていないなと、自覚してはいましたが・・・。

 51-Kは悲しんだ。「何たる失策であることか!」

 それに気がついたのは、第一接触の直前!あわててマニュアルフォーカスに変更して、∞にピントをセットしました。

「第一接触からは完全に日食の経過を写せるさ!」と気分を切り替えたのもつかの間、今度は雲がやってきました!

北の空は完璧に晴れあがっています。南の空も、雲は山の端に沿って低く流れているだけ。

なのに、なのに、何たること・・・・・ちょうど太陽の昇っていくコースだけ、そこに沿って雲が立ちあがって来るではありませんか!

かなりの間、雲にさえぎられて太陽をまともには写せませんでしたが、金環が近付くと奇跡的に雲が無くなって行きます。

やがて、隣にいた男性が、「少しぐらいは雲があった方が、写真の構図的には良いのに」などと、余裕の発言をかますほどの

快晴となりました。(雲に阻まれて嘆き悲しむ地方の皆様から、石が飛んできそうですな)

 金環終了後も、雲が出た時もありましたが大した影響はなく、日食終了まで撮影を続けることができました。

 そんなわけで、雲と、写っていない太陽の位置関係に大いに矛盾がある写真ですが、そこは大目に見てやってください。


 Canon EOSkissDX 18〜55oズームを18oで撮影
(35ミリサイズのフィルムカメラなら、28ミリ位のレンズに相当する画角です)
 合成写真

 太陽にはバーダープラネタリウム社製アストロソーラーフィルター(露出倍数10万倍)使用

広角レンズのためでしょうか、太陽が画面の端に来るに従ってだんだん大きく、そして少々いびつになっていますね。

長野県下伊那郡高森町 丸山公園よりの眺望です。


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